浜名湖魚醤(ぎょしょう)

食品ロスを減らす取り組みとして、私たち浜松・三ヶ日 みかんの里協議会は浜名湖の漁業に目をむけ、未利用魚を活用する活動を始めました。未利用魚または未利用水産物とは、市場に出荷するには漁獲量が足りない、または不安定で、出荷したとしても箱代や手数料を引くと漁師に殆ど利益が無いため、市場に流通させることが困難な水産物です。こうした魚は廃棄されてしまうため、漁師など生産者の不利益になるだけでなく、食品ロスにもつながります。

私たちはそのままでは売れない未利用魚を、魚醤に加工して商品にできないかと試行錯誤しています。魚醤とは魚を塩漬けにして発酵・熟成させたのち抽出した液体調味料で、独特のくさみがあるものの強いうま味があります。秋田県の「しょっつる」やタイの「ナンプラー」、イタリアの「コラトゥーラ」などが有名です。

私たちの取り組みで扱う未利用魚は小型で骨が多いものが多く、そうした魚はもともと加工が難しいのですが、魚醤であればぶつ切りにして漬け込むだけですのでまさに小型魚向けの加工といえます。また、ある程度発酵させてから魚肉や骨、麹などをまとめてペースト化することにより、液体だけを搾り取って魚醤とするよりも搾りかすを廃棄する必要がなくなるため、より食品ロスの削減に貢献できる「魚醤ペースト」の開発も行っています。

魚醤も魚醤ペーストもまだまだ試作段階ですが、商品化に向けて取り組んでいます。

魚醤ペースト